仏教思想のゼロポイント (新潮社)
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ブッダの直弟子たちは次々と「悟り」に到達したのに、どうして現代日本の仏教徒は真剣に修行しても「悟れない」のか。そもそも、ブッダの言う「解脱・涅槃」とは何か。なぜブッダは「悟った」後もこの世で生き続けたのか。仏教の始点にして最大の難問である「悟り」の謎を解明し、日本人の仏教観を書き換える決定的論考。
avashe.iconとりあえず仏教思想はこれ読もう、まずはそれから。
この本は名著となりうるだろうが、これだけで終わらせるとそれはそれで誤解になる
「一切皆苦」「諸法無我」「解脱」「涅槃」などのロジックは誤魔化さずに理解すべきだが、ロジック原理主義になり不殺生などの具体的な戒律を低く見てしまうとかつての戦争関与の再来になり得るのではないかという疑問がある
解脱した人間は人を殺してもあるがままであって、そこに善悪(一切の本質)はない。それで私は良いとは思わないので、具体的戒律によって解脱した人間は制限を掛けられる必要があると思う。
あるいはブッダのように慈悲に目覚めるべきだが、ブッダ以前に独覚がいたと考えられており、本書内でも記されるように、必ずしも慈悲に目覚めるとは限らない。
独覚とはブッダ以前に師匠なく悟りに目覚めたが、その思想を啓蒙せず独り人生を終えた人々のこと。仏教ではブッダ以前に多数存在したと考えられている。